2026-08-22
壊れた設備部品を3Dプリントで復元できるか|素材・精度の確認ポイント

工場の設備で使っている部品が壊れた。交換しようとしたら、メーカーは製造中止、在庫もない。
設備全体を入れ替えれば数百万〜数千万円かかる場合があります。一方で、部品を1つ復元できる場合は、設備を使い続ける選択肢になります。
そんなとき、3Dプリントによる部品復元の検討が選択肢になります。
この記事では、壊れた設備部品を3Dプリントで復元する方法について、素材・精度・方式の違いまで具体的に解説します。
3Dプリントで設備部品を復元する流れ

① 壊れた部品を採寸・3Dスキャン
壊れた部品を3Dスキャナでスキャンし、形状をデジタルデータとして取得できるか確認します。
- ノギスやマイクロメーターでは測りにくい複雑な曲面も確認できる場合がある
- 部品の裏側も含めて3D計測を検討できる
- 条件によってはフルカラーでスキャンし、外観情報も記録できる
② 3DCADでデータ作成(破損部分も復元)
スキャンデータをもとに、製作用の3DCADデータを作成します。
破損している箇所がある場合は、残っている形状から元の形を推定・補正できるかを確認します。摩耗している部分の修復や、強度を改善するための形状変更も用途に応じて検討します。

③ 素材を選んで3Dプリント
用途・使用環境に応じた素材を選定し、3Dプリントで造形できるかを確認します。
④ 仕上げ・検品・納品
造形後、寸法・形状を検品し、必要に応じて仕上げ処理を行った上で納品します。
対応している素材
当社で扱っている主な3Dプリント素材は以下の4種類です。実際に使えるかは、用途・荷重・使用環境を確認したうえで判断します。
| 素材コード | 種類 | 特徴 | 用途例 |
|---|---|---|---|
| AR-M2 | アクリル樹脂(ウレタン配合) | 標準的な強度と精度 | カバー、ブラケット、試作品 |
| AR-H1 | 耐熱アクリル樹脂 | 100〜120度の耐熱性 | 熱がかかる箇所の部品 |
| AR-G1H | 高硬度シリコーンゴム | ショア硬度65 | パッキン、シール、ゴム部品 |
| AR-G1L | 低硬度シリコーンゴム | ショア硬度35 | 柔軟性が必要なゴム部品 |
「この部品にはどの素材が適しているか」は、用途や使用環境をお伺いした上でご提案します。
3Dプリントの精度について
当社の3Dプリンタ(キーエンス AGILISTA)の仕様:
- 積層ピッチ: 15〜30μm
- 精度の目安: 1/100mmオーダー
- 複雑な形状も細部の再現を検討可能
精度に影響する要因
- 素材の収縮: 造形後に素材がわずかに収縮することがあります
- 形状の複雑さ: オーバーハング部分や中空構造は精度に影響する場合があります
- サイズ: 大型の造形物ほど、全体の寸法精度に影響が出やすくなります
精度が重要な部品の場合は、事前に用途・必要精度を確認したうえで方法を検討します。
3Dプリント vs 切削加工 vs 真空注型の使い分け
部品を復元する方法は3Dプリントだけではありません。用途によって最適な方法が異なります。
| 方法 | 向いているケース | 精度 | コスト | 対応素材 |
|---|---|---|---|---|
| 3Dプリント | 複雑な形状、1個〜少数、試作・検証 | 条件による | 中 | 樹脂・ゴム |
| 切削加工 | 高い寸法精度が必要、金属部品 | 非常に高い | 高い | 金属・樹脂 |
| 真空注型 | 同じ部品を10〜50個程度量産 | 中程度 | 数が多いほど安い | 樹脂・ゴム |
まず1個復元できるか確認したい場合、3Dプリントは有力な選択肢です。 量産が必要になった場合は、3Dプリントで作った部品をマスターにして真空注型に移行できるかも検討します。
こんな場面で3Dプリント復元が使われています
- 生産ラインの設備部品が破損 — メーカーに在庫がなく、3Dプリントで復元できるか検討したい
- 古い機械のプラスチックカバーが割れた — 近い形状のカバーを再現できるか確認したい
- ゴム製パッキンが劣化 — シリコーンゴムで代替できるか相談したい
- 治具が壊れたが図面がない — 現物をスキャンしてデータ化し、複製できるか確認したい
費用について
費用は対象物の形状・サイズ・素材・作業内容によって異なります。
まずは「復元できるかどうか」の相談だけでも大丈夫です。 対象物の写真をお送りいただければ、対応可否と概算の目安をご案内できます。
当社の対応について
別役ロボット工業では、3Dスキャンによるデータ化から3Dプリントによる部品復元の検討まで、一貫してご相談いただけます。
- 図面なしの相談可 — 現物から3Dスキャンでデータ化できるか確認
- 1個から相談可 — 小ロットも個別に判断
- 対応サイズの目安: おおよそ1000mm程度まで。形状・重量・条件により個別判断
- 精度の目安: 1/100mmオーダー(積層ピッチ15〜30μm)。実際の精度は形状・素材・造形条件により異なります
- 対応素材: アクリル樹脂、耐熱アクリル樹脂、シリコーンゴム(高硬度・低硬度)
「この部品を復元できるか?」という段階で大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。
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よくある質問
- Q. 壊れている部品でも復元できますか?
- 元の形状がどの程度残っているかを確認したうえで判断します。欠けや摩耗がある場合は、用途を伺ったうえで補正・再設計を検討します。完全に粉砕されている場合は対応が難しいことがあります。
- Q. 3Dプリントで作った部品は実際に使えますか?
- 用途・荷重・使用環境を確認したうえで判断します。アクリル樹脂、耐熱アクリル樹脂(100〜120度対応)、シリコーンゴムなどから、目的に合う素材を検討します。
- Q. 金属部品の復元はできますか?
- 現在、当社の3Dプリントは樹脂・シリコーン素材を中心に扱っています。金属部品については、3Dスキャンでデータ化した上で、協力工場での切削加工等をご提案できるか確認します。
- Q. 精度はどのくらい出ますか?
- 機械仕様上の目安として1/100mmオーダー、積層ピッチ15〜30μmがあります。ただし、実際の精度は形状・素材・造形条件によって異なります。
- Q. どのくらいの大きさまで対応できますか?
- おおよそ1000mm程度までが目安です。ただし、形状・重量・材質・必要精度によって異なるため、個別に確認します。
- Q. 費用はどのくらいかかりますか?
- 形状・素材・サイズ・作業内容によって異なります。まずは対象物を確認し、対応可否と概算の目安からご案内します。